原理・比較・選び方
同じ lm でも lx が変わるのはなぜ?
lm は光源などから出る光束、lx は面に届く照度です。数字の単位が違うため、「製品の lm が大きい」ことだけでは、部屋の作業面で何 lx になるかは決まりません。
まずは単位を面積に結びつける
国際単位系を定める BIPM の SI Brochure では、光束の単位が lumen (lm)、照度の単位が lux (lx) とされ、1 lx = 1 lm/m² の関係が載っています。そこで、光が面にむらなく届き、損失もないという単純な条件を仮定すると、1,200 lm を 12 m² に広げた平均は 100 lx、同じ 1,200 lm を 24 m² に広げると 50 lx です。
1,200 lm ÷ 12 m² = 100 lx
1,200 lm ÷ 24 m² = 50 lx
これは単位関係を確かめるための架空計算です。実際の光が面に均一に届くことや、器具の出力がそのまま作業面に届くことを示す値ではありません。
このツールの係数は計算上の前提
このサイトでは、利用者が入れた利用率と保守率を掛け合わせて、必要光束を補正します。たとえば説明用に利用率 0.75、保守率 0.80 と置けば、積は 0.60 です。12 m²・120 lx の条件なら、必要光束は 12 × 120 ÷ 0.60 = 2,400 lm になります。係数を小さく置くと、同じ目標に対する必要光束の計算値は大きくなります。
この 0.75 と 0.80 は説明用の仮定で、どの部屋にも当てはまる推奨値ではありません。照明設計資料では、作業面に届く割合や維持照度を見積もるために、器具・空間条件や維持条件に対応する係数が扱われています。係数の定義や必要な製品データは計算法で異なるため、ツールの単純な入力欄を個別製品の測定値と混同しないでください。
光束の表示を比べるときの手順
- 比較する数値が1灯あたりの lm か、器具全体の lm かをそろえます。
- 面積と目標照度を同じ条件にし、係数は根拠を確認できる資料がある場合だけ反映します。
- 灯数を切り上げた結果の設置光束と換算上の照度を見て、目標との差が生じる理由を確認します。
IES の用語集は、係数の一種である CU を作業面に届く光束とランプ光束の比として定義し、絶対測光の器具では器具光束を使う別の用語を案内しています。比較の前に、手元の製品資料がどの光束を示すかを確かめる理由はここにあります。
この概算で分からないこと
平均照度の算術だけでは、光の向きや配光、器具の配置と高さ、壁・天井・床の反射、窓からの昼光、作業面内の明暗のむらを評価できません。ここでの数値は照度計による実測、個別施設の推奨照度、法令・規格適合の判定ではありません。安全や専門的な設計が関わる用途では、該当する資料や有資格者に確認してください。
条件を入力して比べる →参照した資料
- BIPM, The International System of Units (SI Brochure), Table 4 — lm と lx の単位関係。
- Illuminating Engineering Society, Coefficient of Utilization — CU の定義と測光条件に関する注記。
- licht.de, licht.wissen 01: Lighting with Artificial Light, pp. 44–45 — ルーメン法で使う利用率・保守率と平均照度の考え方。